作業療法士
OT -Occupational Therapist-
作業ができるよう支援する
スペシャリストを育成

作業療法士とは?
- 作業療法士は心や体に障害がある人々の思いを理解し、その方の生活に必要な作業、その方にとって大切な作業ができるように支援するスペシャリストです。
- 病気やケガによって、食事や着替え、遊びや仕事といった日々の作業が困難となった人のために、その人にとって大事な作業ができるよう考え、支えます。
- 保健・医療・介護・福祉領域をはじめ、教育や職業領域など、幅広く活躍しています。

作業療法学科の特徴
子どもから高齢者まで幅広い世代を対象とした作業療法を教授する第一線の教員陣が揃っており、学生一人ひとりにきめ細かな教育を行います。また附属の大学病院を中心とした福島県内施設との連携体制により、授業で学んだ知識と技術を早期から臨床の場で実践できる、「臨床実践能力」を重視したカリキュラムを構成しています。最先端の機器、医学部・看護学部との多職種連携教育や地域医療・災害医療の学びなど充実した教育体制と教育環境を整えており、作業療法士に必要な資質を涵養し、高度な知識と技術、豊かな人間性を備えた次世代を牽引する作業療法士のリーダーを育成します。

4年間の学びのイメージ
1年次は教養科目に加え、解剖学や生理学などの基礎医学、リハビリテーション概論、更に、作業療法学概論や基礎作業学など、リハビリテーションと作業療法学の基礎となる科目を学修します。2年次は作業療法に関連する臨床医学を学ぶとともに、身体障害や精神障害、発達障害及び老年期障害の各領域別作業療法評価学・治療学を学びます。3年次は、領域別作業療法学演習や地域作業療法学など、応用的作業療法学について学び、4年次では作業療法の発展領域や研究について学びます。このような学内学修とともに、1年次から 4年次にわたる学外での臨床実習を通し、作業療法の臨床実践能力を身につけていきます。

作業療法学科の3つの方針(ポリシー)
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
- 作業療法の実践に必要な倫理観と体系的専門知識・技術、コミュニケーション能力を身につけ、対象者の生活を支援するための作業療法を実践できる。
- 作業療法の対象者やその家族、多職種と良好な人間関係を構築し、連携・協働することができる。
- 科学的思考を持ち、保健・医療・福祉の発展に寄与する作業療法学の研究を実践することができる。
- 福島県の地域医療や災害医療を的確に把握し、作業療法士として地域と災害に関する様々な課題への取り組みを能動的に行うための基礎的な能力を身につけている。
教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
- 対象者とその家族及び地域生活における多様な問題に対して、作業療法士として誠意をもって対応できるよう豊かな教養と倫理観を身につけ、良好な人間関係を形成する能力を培う科目と専門性を獲得できる科目を開講する。
- 作業療法学を意欲的に学習し、確かな専門性を修得できるよう、作業療法の科目を早期から開講し、年次進行に合わせて段階的に専門性を高めていく科目を配置とする。
- 作業療法学を深く理解し、また、関連領域の知識を取り入れ、疾病と障害の特性に応じた臨床実践能力を修得できるよう、実践かつ専門的な演習や実習を取り入れた科目と研究の基礎を学ぶ科目を開講する。
- 作業療法士がチーム医療の中で、専門性を発揮しつつ、多職種協働する能力を身につけるための科目を開講する。
- 複合災害の経験を基に、作業療法士が地域医療や災害医療の中でどのような役割を果たせるかについて学ぶ科目を開講する。
入学者の受入に関する方針(アドミッション・ポリシー)
- 作業療法士として「いのち」、「健康」および「生活」を支える意欲を有する人
- 科学的探究心と創造性を備え、作業療法学に関する高度な専門知識と技術を主体的に学ぶ姿勢を有する人
- コミュニケーション能力にすぐれ、高い倫理観と協調性を有する人
- 東日本大震災を経験した福島の地で作業療法学を学ぶ意欲を有する人
- 作業療法学科で学ぶための十分な基礎学力を有する人
学科長からのメッセージ

20世紀初頭、医学の最優先課題は感染症の制圧でした。1928年にアレクサンダー・フレミングによってペニシリンが発見されたことで、多くの感染症を治療することができるようになりました。さらに麻酔技術の発展により人類は手術で病気や障害を取り除く術を見出しました。医学の進歩によって、多くの「いのち」を救うことを実現したのです。しかし、私たちは病気や障害を克服し予防するだけでは「健康」になれないことに気づきはじめました。やがて、障害があっても溌剌とした人生を過ごすことができるという奇跡に希望を見つけたのです。
作業療法士の“作業(Occupation)”という言葉にはいろいろな意味があります。職業、役割、余暇活動、日々の営み…ここに作業療法の深みと魅力があります。作業療法士がクライエント(対象者)とともに目指すのはその人らしい「生活」の実現です。多くの人々が幸せな生活を望んでいます。そのためには医学的な知識・技術を駆使するだけでなく、環境調整や社会資源の活用などの支援技術を身につけなくてはなりません。作業療法士は医学モデルと社会モデルの両輪でクライエントを支え導くリハビリテーションの専門家なのです。
本学科は時代が求める社会のニーズに応えるため、高度な専門性を追求できる作業療法士を養成します。クライエントの「いのち」、「健康」および「生活」を支える意欲を有する人を求めています。
在学生からのメッセージ

人との関わりを大切にする作業療法士を目指して
作業療法学科では、早期から専門的な知識を学び実践に活かせるカリキュラムが整っています。そのため知識の定着が早く、より意欲的に学習に取り組むことができます。また4学科合同の授業など、様々な経験を通して人との関わりを大切にする作業療法士を目指せます。手工芸や集団レクリエーションなど、学生同士で楽しく学び合える専門科目があり、飯舘村の高齢者を対象に学んだ知識や技術を実践できることも魅力のひとつです。整った設備と素敵な先生方や仲間とともに充実した学生生活を楽しみましょう。
(I.Y 2023年入学)
目指せる資格
作業療法士(国家資格)
想定される主な就職先
- 医療施設(一般病院、精神病院、診療所など)
- 介護老人保健施設
- 通所・訪問リハビリテーション事業所
- 児童福祉施設
- 特別支援学校
- 地域包括支援センター
- 市町村保健センター
- 教育・研究施設
- 矯正施設(刑務所など) 他

作業療法学科教員紹介
現場からのメッセージ
作業療法士からのメッセージ

2016年より福島県立医科大学附属病院リハビリテーションセンターに勤務
患者様の笑顔に元気をもらっています
- 作業療法士になろうと思ったきっかけは?
看護師である父に作業療法士という仕事について教えてもらったことがきっかけでした。初めは”リハビリの仕事”という程度の認識でしたが、患者様の思いに寄り添い、目標に向けて一緒に取り組むことができる仕事であることを知りました。機能回復だけでなく、「自分でトイレに行けるようになりたい」「趣味だったお菓子作りがしたい」など、生活や趣味などのその方が大切にしている具体的な作業に関わることができるのは作業療法士の魅力だと思います。
- 仕事のやりがいは?
患者様が何を大切にしているのか、何に困っているのか、自分の思いを聞くことが出来た時、患者様と1つの目標に向かって一緒に取り組むことが出来たときにはやりがいを感じます。目標の達成はもちろん、作業療法の時間の中で少しでも楽しい、嬉しい、達成感などを感じてもらいたいと思い、日々向き合っています。そして、患者様の笑顔を見ることが出来たときには私自身も一番嬉しい瞬間です。
作業療法士の仕事
(日本作業療法士協会より)