作業療法学科の林博史教授(筆頭・責任著者)、五百川和明教授、曽根稔雅教授らの原著論文がPsychogeriatrics誌に掲載されました。

【論文タイトル】
Impact of Neuropsychiatric Symptoms on Caregiver Burden of People With
Dementia With Lewy Bodies: A Multicentre Prospective Longitudinal Study.
(レビー小体型認知症における行動・心理症状が家族の介護負担感に与える影響:
多施設前向き縦断研究)

【論文概要】
 レビー小体型認知症(DLB)はアルツハイマー型認知症に比較し、行動・心理症
状(BPSD)の出現率が高く、家族の介護負担感を増大させる大きな要因になって
います。これまで、DLBにおいてBPSDと介護負担感の因果関係について十分検討
されてきませんでした。我々は、4医療機関において初診時と半年後に、認知機
能、BPSD、介護負担感を評価し、半年間におけるBPSDの変化と介護負担感の変化
との関係を調査しました。その結果、DLBをもつ人の中で不安感とアパシーが持
続あるいは新たに出現した人の介護者はそうでない人の介護者と比較し介護負担
感が有意に上昇していました。本研究の結果より、臨床家は、家族の介護負担感
を軽減するためにDLBをもつ人の不安感やアパシーにより注目し、改善を図る必
要があることが示唆されました。

DOI:10.1111/psyg.70051